【こぶ平レポート】ラクロスクライマックスシリーズ⑨関東大學リーグ|女子決勝
ラクロス、全日本大学選手権が始まりました。ですが、全国からのターゲットとなる関東地区の代表を決める決戦が残っていました。女子は昨年日本一を果たした慶應義塾大学と初の優勝を目指す青山学院大学の戦いとなりました。
当日CSテレビの中継がある中、会場の駒沢オリンピック公園第二球技場は男子の試合以上に観客が増え、3500人規模バックスタンドを含め満員立ち見の中で、本当に魂のぶつかり合う試合が行われた。
女子ラクロス決勝|慶應義塾大学(A組1位)vs青山学院大学(A組2位)
戦前の予想は、慶應の攻撃が優り 8対6で慶應が勝ち切る予想だった。試合開始前から、満員の会場は青山学院の方にやや寄っているようにも感じられる中、快晴の下ドローが上がった。
前半
男子と異なり、お互い攻める気持ちをたぎらせた両チームは、ドロー後のグラウンドボールの戦いでも激しい攻防を見せる中。ボールを取り切った慶應のポゼッション早めに、32番キャプテンの裏まくりから、51へのパス、DFに囲まれる中、粘ってこじ開けたドアに、反転ショットを撃ちこむ強さを発揮した51番の先制で動き出した。
慶應義塾の中盤の強さが発揮されつつ、青山学院もDFのチェックからのカウンター速攻でチェックを交わし攻撃を仕掛け合う戦いは、膠着状態となり14分。
再び、慶應義塾32番の裏からの仕掛け。今度は58番に合わせて逆サイドへショット決める。32番の鮮やかな演出で2点のリードを奪った慶應義塾大学、ペースに乗りかけたところで、パスのラフさが目立ちペースを作る事が出来ずにいると、青山学院が17分ターンオーバーを繋ぎ、7番ゴール正面から2ドッジ&ランで抜けきってフリーランシュートを叩き込むと、会場の雰囲気を味方に攻め立てる展開に変わった。
そこで、ボールを奪った慶應残り4分でタイムアウトを取り、落ち着かせてさらに点を取るべく態勢の立て直しを図るがリスタートで青山学院にボールを奪われる最悪のシナリオになり、青山学院が得意のプレーから、ポイントゲッターの名に恥じない、4番の裏まくりが決まり、遂に前半で同点に追いついたのは。前半残り90秒。その後はお互いの激しいボールの奪い合いで前半を終える形となった。
慶應が、良い形で滑りだしたこの試合、大きな展開を中心に、青山学院を後ろに走らせる企ては、パスのオーバーによる機会消失から実らず、失う物の無い青山学院の速い展開の攻撃にさらされる形になっていったのは、大観衆の過酷な反応による重い空気を振り払わんとするアドレナリンの放出が主因だったのかもしれない。しかし、慶應28番ゴーリーの落ち着いたプレーが無ければ、逆転は大いにあり得た前半だった。
得点は少ないながらも、攻守の切り替え展開の速い、好ゲームになった。
後半
開始早々は、前半のマンダウンの継続で一人少なかった慶應義塾がイーブンになるまで攻め続けたが、イーブンになった矢先に青山学院のスクープから3番-11番のプレーで、前掛かる慶應義塾の裏に抜けると、そのままハーフウェイから走り切って、鮮やかにフェイクをいれて、ゴーリーを崩すショットでゴールを奪い、遂に青山学院が逆転をした。
しかし、数少ないチャンスに慶應義塾、フリスぺで反則を誘い、73番のフリーシュートで同点に持ち込む。一方の青山学院、それでも終始圧力をかけ続け、攻撃は多彩なものになりしばしば、慶應ゴールを脅かす。しかし、13分までの2分間に、2本のフリーショットと、フリーでの叩きつけるようなランシュー(青学3番11番18番)をゴーリーのスーパーセーブに処理をされ、ターンオーバーから、72番のインサイドへのアプローチからのショットを許し、再び逆転をされる展開になった。
青学の攻撃意欲はそれでも、落ちず、9分残りからのタイムアウトで策を練った青学。最後はエース4番のゴール前混戦からゴーリーの股間を抜くショットで同点に持ち汲む事に成功。
最終盤に向けて、青山学院の勢いが優りそうな雰囲気となるが、残り5分青学DFの97番の負傷退場があり、フリーシュートの場面も、再び慶應義塾ゴーリー28番大沢選手が立ちはだかり、青山学院の再逆転を許さなかった。
残り2分も、激しい攻防が続くも得点は決まらず、ついに延長サドゥン・ヴィクトリーへ突入する事となった。勢いのある、青山学院がドローを奪った延長開始、直ぐに慶應義塾66番のボール奪取からのランクリアからの慶應のポゼッション。
ここで、1枚変わった青山学院のDFとの勝負に、選手がクロスする動きが入り交わした、33番の逆サイド72へのパスからの72番の1オン1勝負、交わしてスワーブからのショットが吸い込まれるように、左サイドを抜けた時、延長開始3分 慶應義塾の2連覇が決まった。
慶應義塾大学の勝因は何だろう?
ゴーリー 28番 大沢選手の集中力。
フリーショットを含めた、攻撃陣の決定力。
どういう状況でも崩れない精神力。
だと考えられないか?
中でも、守護神として非常に高いレベルで力を発揮する大沢選手の集中力は、接戦時のチームに大きな安心感を与え得るものと言える。そして、シーズンを通して、高い決定率のフリーショット。ショット自体の決定率の高さは、US遠征での経験等が生きている。
持ち前の展開力は、アドレナリンが効きすぎたか、オーバーパスを連発した。ただ、お聞きしたらどんな状況でも負けない為の意識付けはされてきたようだ。今回。最悪のシナリオで勝ち切った慶應義塾。
ここを、崩し切るには、さらに速い展開からのブレイクや、ボール止めない攻撃が必要なのではないだろうか?
一方、敗れた青山学院は、ラクロスの質的には一番良いプレーを魅せてくれたように思える。11番小峯選手の攻守での卓越したボールダッシュ力や、VPとなった4番鈴木選手の速さとショットの決定力はこの試合においては、慶應義塾のどの選手よりも高いアクティヴィティに見えた。精神力も前向きで強い。ただ、最後の1点を取り切る力、それが強さと呼ばれるものなのだろうが、その為の経験の差が出たとしか言えない。
青山学院は良いラクロスをして負けたが、良いラクロスをして勝つという事への見えざるチャレンジを祈りたい。
特に、4年生が抜ける穴を埋める努力を、どのようにしていくのか。2013年の青山学院の状況には、陥って欲しくはないのである。
慶應義塾の連勝が続く。 次は全国大会である。 対戦相手は 愛知学院大学 さあ、どんな戦いが待っているのか?
Enjoy lacrosse!
Lacrosse makes friends and players.
こぶ平