こぶ平コラム

【こぶ平レポート】2022年ラクロス全日本クラブ選手権への道

全国で、全日本大会への進出を決める中、第23回全日本クラブ選手権は新しい勝ち上がり形式で実施される大会となる。それは東日本の2位チームがワイルドカードで出場し準決勝から登場するが前回は対戦相手が東海地区vs北海道地区(女子は第2のワイルドカード)の勝者と戦う形になっていたが、今年からは関西地区vs中四国地区の勝者と顔を合わせる理にかなった大会形式になった。そして、全国大会に至る道のりには、ここでもいくつかのドラマがあった。各地区に分けてみて行こう。(東日本チャンピオンリーグについては別途お伝えする)

北海道地区

全国大会へは2度目となる男子クラブチームとは

北海道地区のクラブチームは2000年前半ごろから Space Travelers ALC Hootersの活動から始まり Orcinus Orcaが加わり、2019年にNorth AXISが加入。2021年に支部となし全国大会への単独出場権を得た歴史がある。元も若いNorth AXISが2年連続の全国大会を勝ち取っている。推測だが、北海道から全国に(主に関東に) 大学進学しラクロスを始めた選手が帰郷して加わったり、北海道に就職のために来た選手との融合が他のチームより多かった事が理由だと考えている。今年のメンバーは ラクロス協会から発表された大会パンフレットを参考にされるとよいだろう。

第23回全日本クラブ選手権大会 E-bookのリンクはこちら:https://www.lacrosse.gr.jp/ebook/jclc2022/#target/page_no=1

そして North AXISの試合ぶりは以下で見られる。

今年の北海道クラブリーグ戦決勝戦 North AXIS vs OrcinauOrca
https://www.lacrosselive.jp/contents/b2f1e97e-c65a-5477-bdba-ebf55b6e794f
昨年の北海道大会決勝戦:https://www.youtube.com/watch?v=Y3vKUJV_LBA

今年も、全国大会では昨年同様 東海地区代表の WOLVES との再戦となる。昨年は2対13と完敗したが今年は結果を残せるか?北海道地区ラクロスの進化に注目したい。

東海地区

男女、新旧チームのバトルが激化している

この地区は、2015年から関西地区と一緒のリーグから分離独立し男子4チーム(現在と同じ WOLVES、OPEC VORTEX,ARM ARTISTA,WELLS)、女子5チーム(現在とは異なり、SELFISH.BRISK,名古屋ラクロスクラブ,tiida,BANDITS)でリーグが始まった。今は女子リーグ戦の顔触れが変わって4チーム(SELFISH,COPER,PULUS ONE/前名古屋ラクロスクラブ,tiida)で戦われている。

男子ラクロス

2015年リーグ独立時に参入したWOLVESが東海リーグを活性化させ新旧(2014年以前から存在するチームを旧チームとした;男女共通)チーム間でのバトルが激しくなり、打倒関東を共通の目的にして高いレベルの戦いを繰り広げているようだ。今年はその新旧対決で3連覇中のWOLVES 対 OPEC VORTEXの間で戦われ 3Qまで3対2 WOLVESリードから、残り2分30秒でWOLVES 45番の裏まくりで加点し次7秒でさらに加点もクロスイリーガルで無効となると、息を吹き返したOPEC VORTEXがポゼッションから1点差に迫るも、同点を狙ったロングパスが通らずWOLVESが何とか逃げ切った。WOLVESは2018年以降4連覇。OPEC VORTEXは2017年以来の東海制覇はならなかった。WOLVESは11月6日(日)に北海道地区代表の North AXISと1回戦を戦う。

女子ラクロス

2015年リーグ独立時にはなかったCOPERの台頭によりリーグ戦での戦いが激化してきた女子リーグ戦。昨年はついに東海地区女王が入れ替わった。連覇を続けてきたSELFISHをCOPERが破り初の全国大会へ進出した。しかし、関東地区の壁は厚く1回戦で敗退をしたもののその戦い方は、以降の東海地区ラクロスの進化促進につながったと推測する。しかし今年はコロナの影響もありCOPERが2連覇を逃し、SELFISHの帰り咲きとなった。今年も1回戦は東日本チャンピオンリーグ3位のFUSIONである。東海地区代表としては、昨季からリーグとしてどのように進化を成し遂げたか問われる試合になる。

関西地区

男子リーグ戦で新たな歴史のページが加わった—GOLD ZEALERの復活

2019年まで関西7連覇を飾ったACLその最後の2019年に関西決勝で顔を合わせたGOLD ZEALER(以下GZと記す)は、2006年関西ラクロスクラブ以来の復活を果たした。女子は絶対女王のNLC SCHERZOに新旧交代の波が押し寄せる中、新興チームの台頭もあり新しい時代への門が開かれた年と言われそうな年になった。

男子ラクロス

2020年21年のHELP復活から、今年はGOLD ZEALER(GZ)の復活と、戦国時代に突入した関西クラブラクロスリーグ戦男子。GZは母体が関西ラクロスクラブ。しかし2010年以降リーグ戦制覇から遠のいていた。復活のきっかけは2019年のACLとの戦いで大敗した事なのかもしれない。2019年7名の新戦力を受け入れたが直ぐには結果が出なかった。しかし21年22年と12人に新戦力が加入、選手30人中19人が2019年以降の加入。関東の大学からの加入も12名と、新戦力を受け入れるきっかけとなったのかもしれないと考えた。結果うまく新しい戦力との融合が進み今期の優勝へとつながったと見ている。来年以降へも繋がる優勝になった。GZは11月3日(木;祝日)に九州・中四国地区代表の FERVIENTEと1回戦を戦う。

女子ラクロス

19年連続関西王者となり、その間全国クラブ選手権を2014年度に制しているNLC SCHERZOをどこが倒すのか?20年来のテーマとなっているが今年もその城は崩れることはなかった。元日本代表だった権藤選手(神戸大学出身)もチームを離れ新旧交代期が続いているNLC SCHERZOに対して、CACTUS、aifaといったチームも活動を休む中Chezの加入を得て Toyに伝統のCrazy Scorpions を加えた4チームで戦われたリーグ戦は最も新しいチームのChezの進化により決勝において 11対7という近年最も接近した戦いが繰り広げられた。こういう競い合いが増えることにより関西ラクロスの質の向上も加速されるはずだ。今年はNLC SCHERZOのゴーリー富田選手、竹本選手が世界大会に派遣されている。そこでの情報のフィードバックも又進化の種となるだろう。今年の全日本クラブ選手権は、1回戦を九州・中四国地区代表のSIRIUSと3度目の戦いをする。そこをクリアすると、今年は東日本2位のMISTRALが相手となる。2014年以来の女王となれるのか?注目は新人の北浦選手(関西学院出身)だ。

中四国・九州地区

新興クラブチームが台頭する中、男子では復活劇もあった

九州・中四国地区では2012年にクラブリーグ戦が始まったときは九州地区には正式加盟のクラブチームはなかった。男子4チーム(BARBARUAN LIGHTS,ESPERANZA,KAMIKAZA,FERVIENT)、女子3チーム(CEREJA,CURIOUS,C-force)で始まったリーグ戦は、2016年に男子九州地区4チームが参入し一気に盛り上がると、2017年からコロナ前の2019年まで九州のチームArditoが覇権を握った。2019年から女子の九州チームSIRIUSが加盟し男女とも九州に本拠地を置くチームが優勝した。しかし、再開された2021年には男子のBARBARIAN LIGHTSが復活そして今年第2の復活劇があった。

男子ラクロス

ピーク時(2019年)九州地区も合わせて7チームのリーグにまで発展したが、2022年は中四国2チーム九州2チームの4チーム総当たりで再開されFERVIENTEが前回覇者Arditoを破り6年ぶりの王者に返り咲いた。九州・中四国地区代表は 11月3日に 関西地区代表のGOLD ZEALERと対戦し全日本クラブ選手権での勝利を狙う。今年大学ラクロス中四国地区では男子 広島大学が初優勝をしている。何かが起こるそんな予感もする。

女子ラクロス

女子は2019年のSIRIUS参戦以来、SIRIUSが覇権を握り続けているが後に同時に参入したVIVACEが進化を遂げリーグ2位まで来ている、ブロック予選では10対12までSIRIUSに肉薄した。決勝ではSIRIUSが強さを見せつけた形だが、今後の進化に期待が持てるチームが台頭してきた。

SIRIUSは男子と同じく関西代表との1回戦を戦う。対戦相手のNLC SCHERZOが新旧交代期にあるため経験が生かせれば勝利のチャンスも生まれると思われる。

こぶ平‘sView

全日本クラブ選手権はあまり、大きなサプライズが生まれにくい状況が続いている。関東のトップチームが有力選手を集めて切磋琢磨を繰り返すからだ。しかし各地にも有力選手は多い。関東以上の切磋琢磨が生まれれば新しいクラブラクロスの時代が来ると思う。そうすれば、駒沢オリンピック公園第1球戯場では観客が入らなくなるはずだ。各地区の大学と協力し合いながら、関東地区を超えるパフォーマンスを発揮できるトレーニング方法や、戦術を考えていただければ良いと、いつも考えている。

全日本クラブ選手権について

LIVE配信について:クラブ選手権大会の全試合をJapan Lacrosse Live by rtv(https://www.lacrosselive.jp/)放送予定 11月1日から全試合無料視聴可能(チャンネル登録必要)チケット情報等詳細は後日の協会からの情報又はラクロス協会のWeb他SNSを参照して欲しい。

今回はここまで。

次は お待たせ Teen‘s ラクロス編です。

やっぱりラクロスは最高!

こぶ平

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