【こぶ平レポート】2019年GWラクロスの振り返り②|関東女子・あすなろ
今年のラクロスの目玉。女子ラクロスU19世界選手権の組み合わせが発表になりましたね。日本チームはBシードで臨みます。
そんな、U19選手権に挑戦するU19代表候補に選ばれている選手が在籍する新2年生だけのチーム戦である、関東地区あすなろカップが5/1,2に実施されました。女子戦の模様をレポートします。
5月1,2日東京江戸川区葛西臨海競技場にて、男女同時開催で行われたあすなろカップラクロス、女子はチーム数も多く優勝までは5試合を戦い抜かなければならない。そして、予選E,F組は5月2日に5試合を戦い抜かねばならない状況だった。
そして、新人戦 サマー、ウィンターステージを連覇し、三冠を狙う日本体育大学が正に、E組に含まれていた。
サマー&ウィンターステージを強い勝ち方で勝ち抜いた日体大に対する他の大学の進化が問われる大会でもあった。
ウィンターステージでは日体大は予選を11対0、6対1、決勝トーナメントでは中央・国士館合同に7対0、明治αに4対2、立教αに7対2と明治αに迫られたのみであった。
迎えた、あすなろカップ少々合同チームの編成が異なる物はあったもののウィンターとの違いは少なかった。しかし、抽選での組み合わせで最も厳しい組と思われたのがE組 日本体育、日本&大東文化、早稲田の強豪の組だった。
しかし、ここでも日体大は強さを見せ、6対0、5対0と完封で勝ち抜き、10分ハーフの後半はフライも多くするなど余裕すら感じさせる戦い振りを見せた。
その他の組ではA組はウィンターステージベスト4の東洋が順調に勝ち上がりを決めた。
B組はウィンターステージ予選で得点差により予選を突破できなかった東京学芸が昨年1部の貫録を見せ勝ち切った。東京学芸も個の力に光るものが見えてリーグ戦へ向けたチームの底上げにつながる進化を見せた。
C組はウィンターステージで力を見せ、U19代表候補も2名を擁する明治が抜けている予想もあったが、青山&明治学院合同チームが明治を上回るアジリティで明治を追い詰めたが、合同の宿命とも言える小さなミスも重なり最終的には4対3で明治生き残った。
D組はウィンターステージでベスト8に進出した立教βを破った、成蹊&東京農業合同と専修&桜美林合同が引き分け、勝ち点で並び僅か得点差1で成蹊&東農が勝ち抜けた。専修・桜美林合同は3部チームながらあすなろ前の評判が高かったのだが、実力は確かなものでリーグ戦に向けて明るい材料を提供した。
F組は単独チームで臨む上智の有利と見る向きもあったが、横浜国立&一橋の2部合同チームが力を見せ決勝トーナメントへ進出を決めた。
横浜国立もコーチが変わって臨んだカップ戦で点を取れる力を発揮したのは収穫だったのではないか?一橋も2部昇格後のAチームへの底上げに光が差したと言える。
G組はウィンターステージベスト8の中央&国士館合同チームが力を発揮1失点で予選を勝ち抜いた。
H組はウィンターステージで合同を見せた、慶應義塾と東海が学習院と日本女子体育との組み合わせに替わり、個の強さだけではなくディフェンスの好リードで勝ち抜いたのは日女体&東海合同だった。
I組はウィンターステージ準優勝の立教αが順当に勝ち進んだ。ただ、昨年2冠、あすなろカップ優勝の東京女子体育が立教に対して食い下がれなかった事は別の意味で印象が強かった。
かくして、予選を勝ち抜いたのは、
東洋、東京学芸、明治、成蹊&東京農業、日本体育、横浜国立&一橋、中央&国士館日本女子体育&東海、立教α 横国・一橋vs日女体・東海の1回戦から決勝トーナメントが始まった。
決勝トーナメント進出の顔ぶれは、ほぼウィンターステージと変わらず、日体大と同じ組に入った、早稲田と日大&大東文化の両チームが進出できなかったぐらいであり、同世代での下剋上が起こるには時間が少ない事を思わせた形だ。
決勝トーナメントで、進化を見せたのは東京学芸と日女体・東海。東京学芸は体力的な非力はまだあるものの、それを補って余りある1オン1で抜け切ろうとする強い意志が見えてきた。
日女体&東海は持ち前の運動能力だけではなく、パス、戦術にも進化が見られた。日体大に大敗したのは気になるが、その後の試合でも切り替えて勝ちに繋げるあたりに勝負強さも出てきたと見ている。そして、ベスト4は東京学芸(あすなろ初)、日本体育、明治、日本女子体育&東海となった。
準決勝でも、東京学芸の戦い振りは厳しさを見せた明治との戦いをぶりは良く、日体大に完敗した日女体・東海との3位決定戦に期待を抱かせるものだった。
3位決定戦は今回進化の著しい東京学芸vs日女体&東海となり、この日4試合目となる日女体&東海には厳しい戦いとなりそうだった。
両チームの最後の試合に振り絞る力と力のぶつかり合いは激しく、最後までもつれる展開も残り30秒で東京学芸が追い付き、サドゥン・ヴィクトリー方式フリーシュート合戦の延長戦となるころには会場も最高潮。学芸が外した後日女体&東海決めたかに思えたショットがインザクリース。3人目を止めた日女体&東海がしっかり決めて勝利した。
日女体&東海は攻撃面で日女体がリードする形だったが、攻めを作る面での進化が速まり良い形での得点が増えた事は収穫だったのではないか?
東京学芸は最後フリーシュートで敗れたとは言え、そのゴールに向かう姿勢は新しい東京学芸の姿を見せつける事となった。リーグ戦への底上げはこの2チームが一番感じられた。
決勝戦
日本体育vs明治というウィンターステージ準決勝の再戦となった、決勝戦はここまで力の差を見せてきた日体大に、苦戦を強いられてきた明治が挑む形となったが、強さを誇る日体大の攻撃に対し、当たり負けず厳しいディフェンスを仕掛けた明治大学が少ないチャンスを確実にゲットし後半残り90秒まで4対2とリードする展開に持ち込んだ。
しかし、この日5試合目となる日体大、全力で奪ボールを奪い速攻からフリーシュートを決めて3対4。残り30秒からドローを奪った日体大6番の執念のブレイクが決まった所で終了。4対4同点で延長戦へとなだれ込む。
追いつき、息を吹き返した日体大の圧力が強まり延長もドローからポゼッションを取ると分厚い攻撃からショットを決めきった。
日体大は2018年度新人戦3冠を達成。1日5試合の厳しい条件を勝ち抜いた力は世代No1である事は間違いない。ただ、この1年間で明治がその差を縮めた事も確かである。過去、女子の新人戦3冠チームがリーグ戦で優勝を飾った事は無い。
今期は立教大学が挑戦するが、日体大も又新人戦3冠からのリーグ戦優勝を目指す事となった。それにしても日体大の6番山根選手の無双ぶりは観ていて心地良いと言える程であった。U19世界選手権における活躍も期待される。
明治大学は、課題としていた1オン1でのブレイクというアクションに関して、あすなろチームでは結果を出したと言える。
日体大戦後半のターンオーバーからの75番のハーフウェイからのランブレイク、2番の自陣からのランブレイクは圧巻だった。
この試合での痛い経験が次に活かせるチームのはずである。
2018年度新人戦シリーズ女子は日本体育大学の3冠で終わったが、明治大学の進化はそれを凌駕する勢いだった。この世代の2強というには早すぎるかもしれないが今季から2,3年はゴールデンエイジの立教大学を交えた3強を中心にした戦いになる事を予感させた大会でもあった。
この大会でのU19代表候補のパフォーマンスは出色だった。逆に代表候補を凌駕する新星の輝きを消してしまったとも言える。実際には、個性的な好選手も多々見られた。あすなろカップの楽しみは、ここからリーグを代表する選手が生まれる事である。
早速今年のリーグ戦でデビューする選手も生まれる事だろう。リーグ戦を楽しみにして欲しい。
Go Lacrosse!
こぶ平