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【こぶ平レポート】2019年ラクロスシーズンを占う|大学編

2019年ラクロス。新世紀ラクロスの開幕と言われる今年、クラブリーグが始まり、新世紀の香りが、強い芳香となってきたように見えます、

そして、大学リーグも中四国で開幕し、早くも岡山大学女子チームは今年も強いスタートを切り、今週末には九州地区でも開幕を迎えます。
そして、今年も無謀にも展望を書く時期が来てしまいました。「見ず知らずの地区の事まで良く書きますね?」というお叱りの言葉もいただきますが、基本スポーツの盛り上がりなんて、外野素人の優勝予想などから始まる物という気持ちで、敢て、書いていきます。
是非選手関係者の皆さま、ファンの皆様反論必至、ご批判上等の「ラクロス展望」お読みください。

女子ラクロス

昨年は、関西学院大学が3回目の大学日本一の座を射止めました。体力知力で強さを見せた関西学院大学は、昨年優勝チーム26人中16人が残留し、レギュラー陣は全て昨年の経験者が占める形で、今年を迎えている事からも、関西学院を中心とした覇権争いが予想される今年。ルールの大幅な改正により「ラクロス新世紀」の象徴となるのはどの地区のどのチームだろう?
今年度のルール改正により、女子ラクロスがどのような形に進むのか?それを具現化したチームが勝つのか?色々な想定をしたが、大学女子ラクロスは想定外の方向に進みそうだ。

<想定1>
10人制になって、スペースが増えるからディフェンスより攻撃の優位性が高まり得点の入る試合が多くなりそう。得点力の高いチームが増えそうだ。
現実は、その領域に近づいた大学は多くはなかった。と見ている。試合時間が延びたが、拮抗した試合では得点が入りにくい、ディフェンス優位の試合が増えている。

<想定2>
男子と同じ10人になり、ロングスティックミッドフィルダーがいない女子の試合はロングパスが通りやすくカウンターからの速攻武器とするチームが強みを発揮するのではないだろうか?
現実は、スペースをランで突く、ゴール前でのポゼッションを確保する事を基軸にしたラクロスが多かった。
どうしてなのか?それを考える前に、関東の傾向ではあるが、1部ではロースコアの試合が増えそうな気配があり、しっかりとした守備のチームが勝ち残る気配がある。
(別に述べるが、女子のクラブリーグでは上記想定の試合が展開されている。)

なぜ、守備が優位になるのか?

振り返ると、10年前の男子学生ラクロスにおいてポゼッションラクロスで一橋大学が学生日本一を取った時代があった。実は女子学生ラクロスはその時代に入ったのではないか?

その主たる原因は
ショット力が低い
パスのスピード、精度、長さにおいて、ランのクリア、攻撃を凌駕できていない
の2点ではないかと考えている。
そういう点を基準にして各地区のラクロスの展望をしてみよう。

北海道地区

正直、先の2点の克服ができたかどうかもわからない。しかしながら、北海道、北翔2強から北海道教育、酪農学園大学を含めた戦国時代に入りつつある地区はとして、お互いの切磋琢磨は勿論だが、東北大学を凌駕するには?という見地からの作りこみが必要になってくる。
どこまで、追い込んできたのか、今年の7(帝)大戦で大阪大学とのマッチアップで力を示せた事は一つの証明かもしれない。
新世紀に入り本当に高い、運動能力を追求してみてはどうだろう。それは関東も、北海道も変わりはないと考えるのだが。

東北地区

今年も東北大学の優位が続くのか?全国での勝ちを基準に考えられるチームが東北大学なのだが、10人制になって、運動能力の高さで優位が続くのか?久しく3地区の代表に届かない宮城学院女子大学の新世紀ラクロスはいかなるものか?岩手、新潟といったチームは10人制ラクロスに対応できているのか?
3地区戦に向けてルネサンスは起こるのか?
注視していきたいリーグだ。

関東地区

先ずは、何よりも新世紀ラクロスのプレシーズンの試合経験は多い。故に全国の他の地区と比べた優位は動かない。その中でポゼッションを重視した戦術が台頭してきている典型的なリーグでもある。そして1部のグループ分けは以下のようになった。

A組 慶應義塾、東海、明治、成蹊、学習院、法政
B組 青山学院、日本体育、立教、早稲田、東京農業、中央        
である。
春のシーズンからの試合ぶりを見ると、日本体育、立教、早稲田、明治の優勢、後は混戦という見方が強いようだ。
個別に見ると

慶應義塾大学
春先から早慶戦に敗れるなど厳しい情報もあるが、春先からロングパスの精度等では強みを持っていたチームであり、日本一の高みを知るチームとして育成力も定評があるだけに、戦術面でどのような形で挑むのか不明であるが、守備的にならなければ覚醒するのではないか?
東海大学との開幕戦の持つ意味は大きい。

東海大学
強力と言われた世代が卒業し、世代交代の質が問われるチームだが、狭間の世代の覚醒というのは他のスポーツでも見られる。自分達がやるしかないという強い気持ちがチーム力を押し上げる事になる。攻撃力を磨いて今年の流れに抗し得るか?超攻撃的チームである。

明治大学
昨年から組織力の強さに個の強さを合わせた、得点力のあるチーム作りを目指してきた大学が今年は春先から戦術うんぬんよりこの突破を中心に作って来たチームが組織力を付けてきたはずだ。その面からA組での優位を得たと見ている。

成蹊大学
規模的には60名前後の中規模だが、パッケージとしての強さが昨年あたりから顕著になっている。堅実な動きだけではなく日本選抜強化選手に名を連ねる選手がその強さでリードするとファイナル4にも届く可能性を秘めていそうだ。

学習院大学
戦力的には、昨年のレベルをキープして始まったようだが、10人制のラクロスにフィットする悩んでいるようにも見える。その中でディフェンス面での進化は見られる部分、攻撃陣のショットの強化は上位を狙うには必須のように見える。

法政大学
春先、六大学戦では苦戦を強いられたようだが、10人制にフィットする(ラン主体という点では)体力的な面では上位とそん色ないと見るが、守備へのもう一歩踏み込む強い思いや攻撃で一歩先んじる強い気持ちでチームを前にドライブすることがブレイクスルーとなるように思える。
そろそろ連続する、入れ替え戦の苦さから抜け出すときではないか?

青山学院大学
2012年ファイナル4に進出した翌年、二部に降格の憂き目に遭った。昨年East2位になった今年更なる高みに向かう為の、心の準備が一番重要なチームだと思う。強力な個がリードしたチームから、より高い組織力で勝ち進むには全員の走力を2割3割上げなければ、昨年を越えられないという強い思いこそこのチームの真骨頂だと思う。

日本体育大学
昨年、強い個も存在し運動能力面、戦術面でも強みを持ったチームがファイナル4で散った。今年新世紀ラクロスで、その強みがさらに増した感がある。10人の運動能力のみならずベンチ全体の運動能力の高さでは関東一かもしれない。守備的な戦術を凌駕するポテンシャルを持つチームの
一つである。

立教大学
強い個性を持つ、新人三冠世代が主力をなし、自立と覚醒を果たしそうなチームである。そこで勝ち抜くには、実は4年生のリーダーシップ(力を出させるという事、逆に膠着した状況で打開する力を示す等)が鍵になりそうだ。運動能力、IQに加えて守備力の向上が、久々の優勝へ導きそうだ。
やはり、守備的な戦術を凌駕するチームの一つである。

早稲田大学
下馬評の高いチームである。その強みはしっかりしたディフェンスが失点を計算できる事であり、決定的な仕事をする2枚看板が存在する事である。4Q制の新世紀ラクロスにあって、その意味をよく知るチームに見える。シーズン後半での進化が問われる事になりそうだ。

東京農業大学
チームを牽引したエースが居なくなったシーズンを、全員の力でどう道を切り開くのか。注目のチームである。絶対的エースがいたが、入れ替え戦から逃れる事はなかった。エースが居なくなって新世紀ラクロスになって、全員の力が昨年よりどれぐらい高まっているのか初戦の入り方に注目だ。

中央大学
初の1部リーグを、着実な総合力で戦う決意は高そうだ。1部での初戦となる対早稲田大学戦でその決意のほどが見られるはずだ。3部から5年かけて育成されてきた力はベースの力を高めている。その姿は2008年頃から見せてきた明治大学の台頭とダブル。

正直今年の関東学生リーグ女子の行方は見えにくい。新しいラクロスに変わるには時間が無かったからだ。シーズン前半にトップの潰し合いが想定される中。シーズン中の進化が最後に実を結びそうである。
その前半に大勢が決まってしまうかどうかは、実はフリースタートの優位性を生かし切れるかどうかかもしれない。
それほどフリースタートの解釈には差があると言える。

実際に、シーズン終盤で入れ替え戦に臨むことになるチームはどこのチームになるのか想像もできない。

紙面が尽きた。女子の後半(関東の2,3,4部含む)、男子の予想は又別途。

皆さん応援して欲しい。今までにない新世紀ラクロスを。
こぶ平

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