教えて純一さん #11

第11回:これは有料級!ラクロスで “点を取る” ために考えていること【個人能力向上】

こんにちは~!純一です。
まずは自己紹介です。

ラクロス21年目。ポジションはアタックで、今は全国の大学やクラブチームを周りながらラクロス
を上手くなる方法を伝えながらコーチしています。

教えて純一さんも残すところあと2回。
ここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。
12回では取り上げることの出来なかったみなさん、是非どこかで会った時に話しかけてください!
心を込めてお答えします!

田中純一さん ラクロス

こんな質問をいただきました。

私は陸上部出身で、球技をやったことがありません。以前純一さんとラクロスを一度させていただいたのですが、キーマンとしてマークされていたのに、見たこともないくらい点を取っていて衝撃をうけました。私も沢山点を取れるようになりたいです。

こんな質問をいただいたのでお答えしていきたいと思います。

衝撃を受けるシュート。

オフェンスにとって最高の誉め言葉です。ありがとうございます(:_;)

今まで教えて純一さんでは、ラクロスをやめて社会に出ても役に立つような内容を伝えられたらいいなと思って書いてきました。
今回はもう少し踏み込んでラクロスの技術面に関して、『僕が何を考えてラクロスをしているのか?』ということを共有したいと思います。

点を取りたいオフェンスの選手や、相手が何を狙って来ているのか知りたいディフェンスの選手に役立つ内容になりますので、是非読んでいただけたらと思います。
(本当はディフェンスには止められちゃったら困るので見せたくないです笑)

これが全て正解とは一ミリも思ってなくて、色んな考え方があると思っています
一つの流派として何かのヒントにしていただけたら嬉しいです。

では早速解説していきたいと思います。

ラクロスで点を取るために考えていること

①オンボールでの点の取り方
②ノンボールでの点の取り方
③ノンボールの時にざっくり考えていること
④ゲームコントロール
⑤シュート
⑥オフェンス連携
⑦ブレイク
⑧自主練

この項目に分けて、一つ一つ解説していきたいと思います。

①オンボールでの点の取り方

『味方に点を取らせたければ自分が攻め、自分が点を取りたければ味方に攻めさせる』

相手と圧倒的な力の差がある場合、一人で仕掛けてそのままフィニッシュに持ち込めますが、同レベル以上になるとそれだけでは点を取れなくなります。相手がネクスト(スライド)を作って組織で守ってくるからです。

そこを突破するには、仕掛ける人とシュートを決める人を役割分担する事が必要になります。

味方に取らせたいときは自分が強烈な一対一を仕掛け、ディフェンスのフォローの意識を自分に向けさせることで味方をフリーにすることができます。

フォローは出来るだけ長い距離を走らせた方が、攻めやすいです。
仕掛ける場所の周りは、ボールをもらう前にしっかりとはけさせてスペースをあけることを徹底します。


逆に、自分が点を取りたいときは一対一が強い味方に攻めさせます。

そうすることで、ディフェンスが自分から意識が離れた一瞬の隙を使って裏をとったり、デンジャーゾーンでボールを受ることができます。

『攻める前に選択肢を絞り込む』

攻める前に選択肢はいくつか持っておきます。
抜けてフォローがなければ打つ。来たらパス投げる。
ただし、あまりにも沢山の選択肢を持ちすぎるのではなく、2~3個に絞ってます。

例えば、上から一対一をかける時に、

①抜けたらシュート
②ディフェンスがフォローに来たら、空いた選手へ直接フィード。
③無理なら下に落としてチャンス継続

こんな風に考えて攻めています。




②ノンボールでの点の取り方

『自分が点を取りたければ気を消し、味方に点を取らせたければ声を出す』

ゴール近くのノンボールで点を取りたい時は、自分のマークマンをボールマンに意識を向けさせます。

例えば、クロスをおろしたり、歩いたりすることで、殺気を消し、ディフェンスに(自分のマークマンは危険じゃないからフォローをしよう)と考えさせます。
わざと、「抜けてる!」とか「うて!」という事もあります。
ディフェンスは大抵自分を離してフォローに入り、自分がフリーになれます。

一緒に練習したことある人は「打てといったら俺に出して♡」と言われたことあると思います。

そして、味方が仕掛けた一瞬の隙をついてシュートを打てる位置を取りにいき、ディフェンスが気が付いた瞬間にはゴールネットを揺らすことができます。


逆に、ノンボールの時に味方にそのままシュートに行かせたい場合は、「あいてる!」「だせ!」「はい!」という声をだします。
そうすると大抵のディフェンスは自分から離れる事が出来なくなります。
結果フォローに入ることができず、邪魔をされずボールマンはシュートをぶっ放すことができます。

③ノンボールの時にざっくり考えていること


『一対一で勝っていれば点を狙う、負けていればもらい出す』

味方の一対一が勝っていれば、ディフェンスが崩れてるため、自分はシュートの打てるポジションを取りにいきます。
ゴール前が開いていれば飛びこみます。
展開すればチャンスになりそうなら次のチャンスに備えてフロアバランスを取りにいったりします。

逆に味方の一対一が負けていれば、ディフェンスがフォローをする必要が無く、チャンスが生まれないため、パスを受けにもらい出します。
もしもディフェンスにプレッシャーを受けてダウンボールしそうであれば全力でパスの選択肢を作りにフォローへ入ります。

勝てば点を狙い、負ければもらい出してオフェンスを作り直す。

この連続でリズムのいいオフェンスを作ります。

『打ちたい場所はあけておく』

ボールを持った瞬間につぶされないためには、打ちたい場所をあけておいて、打つ瞬間に飛び込むことが大切です。
シュートを打ちたい位置に早く到達して、足を止めてボールを受けるとディフェンスに事前に察知されるため、ボールが到達する瞬間にプレッシャーを受けることになります。

特にゴール前は、決定率高い場所なので、ブレイクでもセットオフェンスの時でもあえて空けておく意識を持っています。

④ゲームコントロール

『流れがいい時はノリノリで攻め、流れが悪い時は一度切ってから攻める』

試合には流れがあるので、流れが自分たちにあるときは一気に攻め込み得点を重ねます。
ブレイクも積極的に狙うし、強気でシュートを打ちます。
パススピードもビシッというパスを投げて、全員のスイッチを入れます。

大切なのは流れが悪く、相手にある時です。
そんな時は、リスクを抑えて、一旦は流れを止めるようなプレーをします。

例えばクリアでは、リスクのあるパスは避け、逆サイドを使ったり、突破力のある人に足で運ばせたりします。
アタックもいきなり突っ込んだり、投げ込んだりはせず、一度ゴール裏を通し流れを落ち着かせて止めます。

そして、しっかりとリズムを作って行きながら自分たちのペースに持ち込むことを考えます。
流れを止める時は、走るスピードを落としたり、パスをゆるめたりします。

 

⑤シュート

『ゴーリーではなく、打ちたいスペースを見る』

焦ったり、いい状態でないときに何をしてもゴーリーに当ててしまう時、ありませんか?
僕も何度もあるのですが、そういう時はほとんどゴーリーを見てしまっています。

人は見た方向に進んで行くという修正があります。
F1レーサーがぶつかって事故をする時は、スペースではなく前の車を見てしまった時にぶつかるそうです。

追い込まれた時こそ、ゴールネットをしっかり見てうつように意識しています。


基本的に、自分がいい状態の時はリラックスして何も考えず打ちます。
集中してるときは、ボールを放つ前にすでに「入った」とわかります。

大量のシュー練をして決めてきた通りに勝手に体が動く域まで練習を積み重ねましょう。

⑥オフェンス連携

『声かけをして、誰が起点かを明確にする』

誰かが急にしかけて、周りがはけ遅れる。こういうシーン良くありますよね!
それを避けるためには、誰が起点になって攻めるかを明確にするといいです。
僕は、ボール回しをしながら「〇〇でいく!」など人の名前を呼んで起点をはっきりさせます。そうすると自動的に周囲はスペースをあけて、連携がうまく行きます。

『味方の得意な場所、得意パターンを理解する』

僕が初めていったチームでも、大量に点を取ることができるのは、誰が一対一強いか?誰が視野が広くパスをできるか?を観察して短時間で見極めているからです。
なので、大体この選手にしかけさせると、自分が空くはず、間合いも遠めで視野も取れてるから、裏取りすれば投げてくる!と判断することができて点を奪えます。

連携を上手くするためには味方の理解を深めることが大切です。

⑦ブレイク

『まずブレイク』

孫子の兵法って知ってますか??
正しくは本を読んでもらうとして、ざっくり言うとこんな感じです。

戦で勝つためには、

  • まず外交などで戦わずして勝つ。
  • それが無理なら実際に軍隊を動かす。
  • 最も悪いのは城攻め。

相手がディフェンスをしっかり組んだところに攻めるのは最終手段としなさいという教えです。

ラクロスにもこれは言えて、

  • まずブレイクで相手が準備する前に点を取りに行く
  • それが無理なら、セットオフェンスでしっかり崩してから点を取りに行く
  • 最も悪いのは、フォローなどががっちり準備できているところに突っ込むこと。

こう考えています。


ディフェンス時間が長い時などは止める必要がありますが、
基本的には、グランドボール後や、アウトオブバウンズ後、フェイスオフやドローで有利な時など、相手がセットする前に切替を早くして一本決めに行くと言う頭でいます。

⑧自主練

『量とイメトレと継続』

チーム練習だけで圧倒的に上手くなれるということはまずありません。
点を取るためには自主練を一番大切に考えています。

まず、運動を極めるには一定の量をこなすことが必要です。
量をやるために意識していることは、好きなことを練習するということです。

僕はちょっと変態なのかもしれないと思うくらいシュートが好きなので、自主練で必ずシュー練をします。
シュー練は、朝から晩までやってもやりきれないほど楽しいので、大量の練習ができます。
シュー練していたらボールを拾うし、味方にパスするので、結果グランドボールやパスまで上手くなります。

イメトレも大切です。
イメージなく、100本シュート打っても、打つ前と打った後で、疲労するだけでそんなに変化はありません。
ワクワクするようなシュートを見ては、自主練で完コピできるように練習します。
試合の前は、同点ラスト一分。これを決めたら英雄。
とかをイメージしながら練習します。

最後に上達する上で一番大切なのは継続です。

「したい人、10000人。始める人、100人。続ける人、1人。」by 中谷彰宏

継続するという事はこれだけ難しいことですから、
逆を返せば続ける事さえできれば圧倒的にアドバンテージを持つことができるということです。


僕が続けるためにしていることは、①ついでにやる ②友達と勝負しながら楽しくやる です。

どうせグランドに行くなら、始発に乗って練習開始まで練習する。
というように、ついでにできることを習慣化させます。
そうすれば、夜お風呂に入るように自主練が習慣になり、続きます。

友達と自主練すると、誘い合うので続きます。
その時に必ず最後、勝負して帰るようにしています。
シュート決定率勝負だったり、サッカーゴールの枠に当てた人ジュース一本だったり、色々ですが、勝負すると楽しいので、楽しいことはまたやりたくて続きます。
緊張感や勝負慣れするので一石二鳥でお勧めです。

是非楽しんで、沢山の量を継続して欲しいなと思います。

◇最後に

今日は 『ラクロスで点を取るために考えていること』という内容でお話ししてきました。

分かる~!と思ってもらえる部分あったでしょうか?

語り始めると、それだけで10万文字くらいになりそうなので、今日はこれくらいにしておきたいと思います!笑

ラクロスを上手くなりたい選手の何か少しでもヒントになれば嬉しいです。

次回最終回、是非読んでいただけたら嬉しいです。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

田中純一さん

関連記事