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【ラクロス団体コラム】SELL流「代表×キャリアの両立の秘密」~廣瀬藍編~

社会人女子選手の強化支援と次世代選手の育成に注力しているSecond Era Leaders of Lacrosse (SELL)です。SELLでは複数の別クラブに所属している社会人選手がチームの枠を超えて「上手くなりたい!」という共通の想いで一緒に平日の仕事後に練習をしています。また、そういったメンバーだけでなく、「次の世代にラクロスをもっと広めたい!」という熱いラクロス愛を持ってクリニックや大会運営、体験会などの普及活動に貴重な休日を割いてくれているスタッフも大勢所属している団体です。HPインスタに色々載っているので是非チェックお願いします!

SELLには現在10名の女子日本代表選手が所属しています。(2021年9月末時点)

このコラムでは彼女たちにリレー形式で、

「なぜ社会人になってもトップレベルで続けているのか?」

「両立で大変だったことは?」

「その原動力は?」

などの質問に答えてもらいます。

過去の記事は下記よりご覧いただけます。

第1回目:多賀麻文選手

第2回目:春木理沙選手

第3回目:高橋未帆選手

第4回目の今回は、日本で初めて米国プロリーグWPLLでプレイした廣瀬藍選手です。関東3部リーグの大学出身でありながら日本代表として2017年の世界大会を経験し、その後は鉄鋼商社で海外営業としてバリキャリな日々を送りながらも2019年に有給休暇を活用して渡米。WPLLのBaltimore Braveにてリーグ優勝も経験し、現在はクラブリーグをけん引するNeOの中心選手として活躍しながら、日本代表で二度目の世界の舞台を目指しています。ラクロスの出身環境も、仕事の環境も、決して最高とは言えない環境で常にトップを走ってきた廣瀬選手の歩みから、出身やいま置かれている環境よりもそこでどのような視座でどのような行動をするかが大切だということを感じてもらえると嬉しいです。

SELL流「代表×キャリアの両立の秘密」~廣瀬藍編~

Q:自己紹介をお願いします。

上智大学出身、NeO所属の廣瀬藍です。
商社勤務で、現在はロジスティクス部隊に所属、貿易をする上で必要な船舶、トラック、飛行機などの手配や調整などを行っています。
入社から3年半は、海外営業部に所属し、度々海外出張に行ったりしていました。また半年間ですが、中国上海にTraineeとして駐在するなど、海外をフィールドに仕事をしていました。もともと英語を使った仕事をしたいという想いがあり、海外営業はそれが叶う部署でしたが、営業を続けず内勤に異動したのはラクロスにより集中するためです。

2017年イングランドで開催されたWorld Cup や2019年Women’s Professional Lacrosse League (WPLL) に参加させていただいた際、強豪国との大きな差を痛感し、それと同時に強豪国のプレーヤー相手にどこまで出来るのか、本気で試したくなりました。少しでもその差を埋めるためには、今まで通りの練習やトレーニングでは通用しないと思い、よりラクロスの時間やトレーニングの時間を増やすために異動を希望しました。

日本代表の一員として、再び世界大会の舞台に立って、前回大会では果たせなかった結果を残し、個人としても強豪国に通じることを証明したいというのが、今、私が日本代表を目指す理由です。

WPLLの試合後に応援に来てくれてたキッズと撮りました!小学生、中学生の観客も多く、米国ではラクロスが若い世代からのスポーツになっていることを実感しました。

Q:よくある一日のルーティーンを教えてください

朝ストレッチ→リモートワーク→トレーニング(ナイター練習)

Q:いままでで一番両立きついなーと思ったときを教えてください

大切な試合の当日朝帰国でのアメリカ出張が決まり、成田空港で睡眠を取って試合に向かった時です。あの時は若かったのでやれたなと(笑)

Q:それを乗り越えてやっててよかった!と思った仕事での出来事は?

気難しい海外のお客さんに感謝された瞬間です。家族経営の小さな問屋だったので価格交渉にもシビアで最初の頃はよく怒られていたのですが、何度も足を運んで会食などすることで段々と仲良くなり、最終的には継続的な商売を作ることが出来ました。訪問した際に社長から感謝の言葉を述べられた時には涙が出そうになりましたね。

仕事中の一枚

Q:それを乗り越えてやっててよかった!と思った社会人ラクロスでの出来事は?

クラブチームNeOに入部して2年目でDF幹部に立候補したことです。1年目は試合にも殆ど出てなかったので、そんな私が技術幹部なんて務まるのかとマイナスなことも沢山考えましたが、プレーヤーとしても成長するためにやることを決めました。

初めは自信も知識も無く全てが大変でしたが、周りの力も借りながらやり遂げることが出来ました。結果的に、ラクロスインテリジェンスの向上、コミニュケーション能力、判断力など本当に多くのことを学ぶことが出来たので、あの時立候補して良かったなと今では思ってます。

NeOでの試合から1枚。NeOはラクロス好きの集団です。

Q:社会人で日本代表を目指す上で一番大変だと思うことは?

仕事をしながら日本代表レベルのスキル、フィジカル、インテリジェンス、マインドなどをつけることは容易ではないです。それを身につけるためには時間とエネルギーが必要になります。上手く身体や心を休める時間を作りながら、スイッチを入れるときは入れる、オンオフを作ることが非常に大切になると思っています。

Q:それでも目指す原動力は?

支えてくれた人に恩返しをしたいからです。
やっぱりここまで自分の力だけで登ってきた訳ではなく、色々な人の力を借りながら進んでこれました。結果を出すことが1番の恩返しだと思っているので頑張れますね。

Q:代表とキャリアを両方頑張るために心がけていることは?

タイムマネジメントです。兎に角時間は有限なので、仕事もトレーニングもラクロスの練習も分析も全ていかに効率的に出来るかを意識して、一日で本当にやるべき事をきちんと終わらせられるように不必要なことはないか、非効率なやり方になってないかなど見直すようにしています。

Q:これから社会人になる皆さんへメッセージあればどうぞ!

社会人になるみなさんへ

まずラクロスは大学4年間で終わるスポーツではないと思っています。
基礎レベルもインテリジェンスもまだまだ伸び代だらけです!
社会人になってから沢山成長出来ると私自身の経験からも確信しているので、まずは是非ラクロスを続けて欲しいなと思います。

また私は大学が関東の3部校出身なので、特に強豪校に所属していなかった方には、続けてほしいです!そういうプレーヤーが増えるよう、私自身ももっと成長していきたいと思っています。

みなさんとラクロス一緒にする日を楽しみにしてます!!

 

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